雲南は内陸省で、周辺が海に臨まないが、水量が豊富で、江河、湖、泉潭、氷川景観が奇妙である。雲南に分布している様々な河が600本以上あり、それぞれ長江(金砂江)、珠江(南盤江)、紅河(元江)、瀾滄江(メコン川)、怒江(サルウィン江)、イラワジ川という6大水系に属していて、それぞれ太平洋とインド洋に流れ込んでいる。珠江、紅河の源が雲南境界内にある以外に、その他の川はすべて境界通過川である。怒江、瀾滄江、紅河、瑞麗江(イラワジ川水系)は国際川で、特に瀾滄江はラオス、ビルマ、タイ、カンボジア、ベトナムなどの国家を流れ通っているので、「東方のドナウ川」と呼ばれているのである。一つの省内に二大洋に属する六大水系があり、四本の川が国際川とすることは、世界で極めて珍しい。
雲南は百ヶ所もの高原淡水湖もあり、面積1平方キロ以上のが37ヶ所もあり、中国で湖が最も多い省の一つである。中の多くの湖は、例えば、デン池、陽宗海、撫仙湖、星雲湖、杞麓湖、異龍湖、洱海、程海、瀘沽湖という九大湖は世界でよく知られて「高原明珠」と褒め称えられている。これらの湖はほとんど断層陥落した構造湖で、四面で山に囲まれていて、鏡のような湖と青々した山が相映っていて素晴らしい。その上、水が清くて、魚エビの繁殖に有利でもあれば、気候調節に有利でもあり、耕地を灌漑することができ、船を通らせることができるので、ほとんど風景秀麗な観光地になったのである。
雲南は泉水が広く分布していて、温泉のみが1200ヶ所以上もあり、およそ全国温泉総数の1/3を占め、全国トップに位している。ほとんどの県には温泉があり、しかも流量が大きくて、毎年流れ出る温水が約3.6億立方メートルあり、全国第2に位している。ここには著名な「温泉城」――昆明、「温水城」――洱源、「地熱の里」――騰冲がある。